「薬、嫌いなのか」 「…………」 沈黙は肯定。 やれやれと俺はため息をつく。 ぎしりとベッドに移動して横に座り、麻理亜の頭を撫でた。 「嫌いでも飲まなきゃ治らない」 「寝てれば治る」 「薬なんて大したことないだろう?」 「………苦い」 薬が苦いなんて当たり前だ。 良薬は口に苦し、だ。 困った妻だ…… でも薬が苦手なんて可愛い、と思う俺は重症だ。 「すぐに水を飲めばいい」 俺はコップに入った水と薬を渡そうとするが、麻理亜は頑として受け取らない。