―――――――― この時の俺は少しの誤算を除いては全部上手くいっていたから気付かなかった。 人は感情に忠実に動くということを忘れてしまっていた。 「………緊張するな」 「無理だよ……」 チラッと隣を見下ろして苦笑する。 カチカチに固まっている麻理亜は緊張が最高潮に着ているらしい。 普段の服よりもお洒落にしかし大人っぽい雰囲気の服に身を纏い、しかし緊張している様子は苦笑しか誘わない。 まぁ、仕方ないかもしれないが。 「……気楽に行けばいいからな」 「それが出来たら苦労しないよ……」