駅に向かって歩いていると、ミナの姿が見えた。

ちょうど駅から出てくるところだった。

「あっ、マカぁ」

「ミナ、今そっちに行くから待ってて!」

「うん!」

笑顔のミナに手を振り、マカは信号を待った。

休日にもなると、駅前は若い人でごった返す。

…失踪事件があろうと、ここにいる人間の何人が覚えているのか。

マカは少しむなしく思え、ため息をついた。

その間に信号は青へと変わった。

慌てて人ごみの中を歩き出す。