その様子をみていると
生徒がばらばらと
立ち上がり
ガタ・・・ガタと
イスをしまう音が
聞こえる
礼をし終わると
いっせいに帰っていった
中には
「先生さよならー」
といってくれる人も
「あれ、葉月先生どうなさいました?」
生徒たちに挨拶をしていると
担任の五十嵐先生が
でてきた
「あ、ちょっと小山くんと
お話がありまして」
「そうですか、わかりました」
一礼をして中にはいると
狭山くんが入れ違いで
あたしの横を通り
教室をでていった
思わず振り返ると
小山くんにはなしかけられた
「どうしたんですか?」
「え、いや」
「先生さ、」
「ん?」
「裕のこと好きでしょ」
「・・・・」

