夜になりはじめた道を薄い日差しの色が染めていた。


だんだんと夏が近付いてきた。


祝日の続く連休。



あたしはバイト先から自転車で家に帰っていた。




一月程前から、あたしは短大三年目、ヒロは社会人一年目を迎えていた。



『ヒロ〜。今バイト終わったよん。』


今年度初めの大型連休。


ヒロの会社も休みだった。


『休みのうちに引越ししちゃわない?今日にでも。』


『今日!?』



もう夜になる。


『服とかだけ持ってくればいいし、タンスとかもうちにあるし。簡単でいいから。』


『ずいぶん急だよね。』


『いいじゃん。』



本当にヒロは我が儘だ。