醒め逝くY


それから自転車に乗って島を一周して

ホテルに戻った。


部屋でシャワーを浴びると彼が、

『せっかくだから夕飯はホテルじゃなくて

家庭的な感じの、郷土料理が色々ある所に

行こう』と言った。


彼はいつも私と居る時間を、最大限に

楽しもうとしてくれているように感じた。


私は嬉しくて子供のように

「うん!」

と言って笑顔で答えた。