私はもう我慢ができなくなっていた。

彼にしてみればちょっとした悪戯かも

しれないと思いつつも、私は本気で

彼を求めて激しく舌を絡ませていた。


「ホテルに行こうか?」

唇を離して、彼は低く優しい声で言った。

私は下を向いて無言で、小さく首肯いた。


恥ずかしかった。


こんな歳になって、しかも夫がいる身で

ありながら、本気で彼を好きになってしまい

それを彼に悟られてしまった。

彼の目にそんな私はどう映っているのだろう?