醒め逝くY


私は彼が勧めてくれた日本酒を

幸せな気分で飲みながら、やはり今も

昔と変わらず、いやそれ以上に彼に

惹かれている自分を自覚していた。


居酒屋を出るともう、終電が

あるかないかの時間だった。


二人で肩を並べて駅まで歩く途中、不意に

大希が私の肩を引き寄せてキスをして来た。


私は驚いた。


彼が私を女として見ているなんて

思ってもなかったからだ。