大希と付き合いさえしなければ、私は 私の中の惨めな欲望に気付くことは なかったのに・・・・・・ もう本当は何も考えたくない。 それなのにどうしてこんな風に頭の中で 会話がなされているのだろう? 「そんなに辛いのなら、楽になれば いいじゃないか。その離婚届に判を押して 大希とも別れて、真っ白になって やり直せばいいじゃないか」 麻衣みたいだ。 でも私の会話の相手は私。