醒め逝くY


「それはまずいね」


「どうしよう?」


「どうしたい?」


夏の夜、私は独り、心の中で不毛な

会話を始めた。


額にたっぷりと掻いた汗が頬を伝わって

髪を濡らした。


暑い為の汗なのか、苦しさからの

冷や汗なのか分からない。


その両方なのかもしれない。