無意味と思いながら彼の家族のことを

想像して辛くなったり、溢れ出しそうになる

嫉妬を抑えたりしながら、独りで苦しんで

行かなくてはならない。


彼が会ってくれる事だけを待ち侘びながら。


『そんなんじゃ駄目だ』と麻衣じゃなくても

言われそうだ。


もし母が生きていたら、そして今の私のこの

状態を知ったら、どんなに嘆き悲しむだろう。


生真面目で、家族の事をいつも一番に

考えていた母だから、きっと人の夫であり

父親である大希を私が好きになること自体

許しはしなかっただろう。