醒め逝くY


日曜の昼過ぎに貢の病室を訪ねると

部屋は思いも寄らず賑わっていた。


昏睡状態なんて、きっと病室は

さぞ暗い雰囲気だろうと思っていた私の

予想は見事に外れた。


貢の同郷から高校時代の友達が

心配して訪れていたのだ。


寝入っている貢を五人の男性が取り囲んで

彼に話し掛ける様に談話していた。


「何でこんな寝ているだけみたいな顔して

起きないんだよ。おい、下山、起きろよ」