咲いても、枯れても1~サクラ色~




結局あの後も、私が落ち着くまで、海斗の腕に制されたままだった。




動けずに、ただ机の冷たさと海斗の熱を感じていた。





半ば、海斗の甘い香りに酔いそうになりながら。




でも不思議。



こんなに独特な百合のような香りがするなんて。




家に、花でもあるのかしら?




そうでもなければ、こんなに強く香らないはず。





その時、ふと浮かんだ情景。



西条家のお庭。




むせかえるくらい花の香るお庭に一日中居たら、身体中に染み込んでしまいそう。





それこそ、酔う程に。