咲いても、枯れても1~サクラ色~




『拓と……拓と、知り合いなの?』




一応確認する。



もしかしたら、知り合いなのかもしれない。





前に拓の話をした時、“西条”に変に反応していたから。





『ねえ?』





言葉をなかなか落とさない海斗に、少し苛立つ。




気になってる?




私、なんで気になってるの?





知り合いだったら、どうしようと思うの?




この刹那の間にも、色々考えてしまう。





やっと、海斗が口を開いた。




『し、知り合いじゃないし。俺は大富豪なんかと無関係だから』



『そうよね』





海斗にそう言われると、そうなんだと思ってしまう。





簡単に。





だからそれ以上追求しなかった。




拓と知り合いってことは、同じような大富豪か、同じ大学とかってことだから。





少し、考え過ぎたわ。