『コイツ、帰りは駄目だよ』
唐突に落とされた言葉に、思わず目を見張る。
なんで、と思う。
何か知ってる─────
とか、単純に考えてしまう。
そんな私の反応を見て、思ってた通り、と言わんばかりに海斗は微笑した。
『どういうこと?ま、まさか海斗!!』
『なんだよ』
『もう白純美は予約済みだとか言うんじゃないだろうな!?』
思わずケラケラと笑う。
佑馬くんらしくて。
悪いけれど佑馬くんが、拓のことを勘づくとは思ってない。
『バカか、佑馬は!!こんなやつと帰りまで一緒とかあり得ないから!!』
『私だって、あんたなんか願い下げよっ』
海斗が本心でそう言っているのか分からないけれど、楽しげな笑顔を見てると、違うかもしれないと思う。
確信は持てないけれど。

