『白純美~また、ぼっとして!!ほら海斗くんたち来たよ?』
恵の声で我に返ったように、はっとする。
そして衝動的に、教室の入口に視線を移す。
その瞬間に少し乱れた黒髪が、瞳を捕らえた。
同じように、彼の瞳が私を捕らえる。
『あ!!白純美じゃんっ!!やっと来たんだ~』
でもすぐに、彼の後ろにいた焦げ茶色に視線が移った。
相変わらず明るい笑顔。
『休んでごめんね。もう休まないから』
『うん!休まないでね?ずっと寂しかったんだから~』
思わずケラケラと笑う。
このテンションも相変わらず、と思って。
『おはよう、白純美ちゃん』
『あ、直也くんおはよう』
やっぱり金髪に似合わず、しっかりとした直也くん。
私と挨拶を交わしてから、すぐに恵と話し始めた。
恵と直也くんを見てると、なんだか嬉しくなる。
お似合いね、と思って。

