『白純美様しか、どうにも出来ませんよ』



その極上の笑顔には、どうしても抗えない。



どっからどう見ても、拓と同い年だわ。




本当に、爽やかな美青年。





『ねえ、頼稜さんって──』


『白純美様、私はこれで失礼いたします。私に話しかける前に、拓様をどうにか』




私の問いを遮って、頼稜さんはスタスタと廊下を歩いて行った。



ちょ、ちょっと!!!!出来れば置いて行かないで欲しかった。





後ろを振り向くと、拓の瞳が私を映していた。



夜でも映える、拓の姿。







『ねえ、何を怒っているの?私が何かしたかしら?』



ようやくこちらを向いてくれた拓の傍まで、ゆっくり近付く。