『拓?』 『何』 『なんで?』 『何が』 私の目の前には、ベッドに身を隠して、ガラス戸の向こうに顔を向ける人がいる。 私の、愛しい人。 なぜだかさっきから、いや、かなり前から拗ねている。 その姿はまるで子供で。 呆れているのに、可愛いとか思ってしまう。 『いい加減、こっち向いてよ』 口を尖らせて怒ってみるけれど、やっぱり効果なし。 はあ、と大きなため息をつく。 『頼稜さ~ん…助けてよ』 頼稜さんは、さっきから扉の側に立って、私たちをニコニコと楽しそうに眺めてる。