『スミ』 『はい?』 ─────スミ。 突然頭に浮かぶカタカナに、眉を歪めた。 『スミ。お前の名前、スミでいいよ』 突拍子もなく、勝手に決められた名前に、唖然とする。 そんな私を見て、秀介くんは満足気に笑った。 『スミ、これでいいだろう?』 気付けば、秀介くんはさっきから柔らかく笑う。 まだ刺々した、針みたいな銀は纏ってるけど。 昨日、拓に見せたような楽しそうな笑顔を、ちょっと見せてくれた。 突然、嬉しくてたまらなくなって、秀介くんを見つめる。 きっと、ニヤニヤしているでしょうけど。