またしばらく歩くと、小さな白い花をたくさん見つけた。
何の花?
見たことはあるけれど、名前を知らない。
普通は知ってるのかしら?
白い花の周りには、たくさんのクローバーが並んでいた。
思わず、座り込んで、四つ葉を探す。
幼い頃、一度だけ見つけたことはあるけれど、もう誰かにあげてしまったから。
私が春を満喫し、ルンルンで四つ葉探しをしていると、唐突に声をかけられた。
『─────誰?』
酷く冷たい声。
鋭くて、突き刺さるような、尖った声。
一瞬だけ身震いしたけれど、声の主の方を、ゆっくりと振り向いた。
だいたい誰か、分かってたけれど。

