咲いても、枯れても1~サクラ色~




またしばらく歩くと、小さな白い花をたくさん見つけた。




何の花?



見たことはあるけれど、名前を知らない。





普通は知ってるのかしら?




白い花の周りには、たくさんのクローバーが並んでいた。




思わず、座り込んで、四つ葉を探す。



幼い頃、一度だけ見つけたことはあるけれど、もう誰かにあげてしまったから。





私が春を満喫し、ルンルンで四つ葉探しをしていると、唐突に声をかけられた。





『─────誰?』




酷く冷たい声。



鋭くて、突き刺さるような、尖った声。





一瞬だけ身震いしたけれど、声の主の方を、ゆっくりと振り向いた。




だいたい誰か、分かってたけれど。