『思っていたより、面白い方なのね。さすが拓だわ。これから楽しみね』




明仁さんの隣で優美に微笑むのは、拓のお母様で、明仁さんの奥様の雅さん。



─────みやび。




その字の通り、上品で優美。


雅さんの周りには、真っ白な百合の花が咲き誇るような。



それくらい繊細で、柔らかくて、口調もゆったりしている方。



同性でも、思わず見とれてしまう程の容姿、オーラを纏う。





『白純美?』



隣に座る拓に声をかけられ、夢から覚めたようにはっとする。




『また、私に見とれていたのかな?可愛いらしいな、白純美さんは』



『明仁さん、何を言ってるんですか。白純美さんは拓のものでしょう?手を出してはいけませんよ』



『父上も母上も!!何をさっきから…!!!!』



『あはは……』




─────悠長。


頼稜さんから聞いていた通り、確かに悠長だけれど。



のんびりと、なんとなく二人のペースに乗せられてる気がするわ。