『これから、会うのよね』
気がつけば、そんな言葉を落としていた。
安心しきってしたけれど、よく考えてみると、とても大変なことのような気がする。
大好きな人の御両親。
“一生”を誓った人の御両親。
─────西条家の父母。
なんだか、とてつもなく緊張してきてしまった。
心臓が、激しく動く。
手に汗を握る。
そわそわして、落ち着かない。
『さくら?』
『白純美様?』
『どうされました?』
三人の心配の声も他所に、益々緊張する。
と思った時、我慢出来なくなった。
『たたた、拓!!』
『ん?』
『おおお、御手洗いはどこ?』
一瞬三人とも目を見張ったが、再び柔らかく笑った。
拓だけは、ケラケラと楽しそうに笑ったけれど。

