『では、しばらくお待ち下さい。父上様に時間を確認してまいります』
『うん。よろしくな』
頼稜さんは、私をもう一度見てから、「お似合いです」と言って出て行った。
恥ずかしい反面、少し嬉しい気持ちもある。
そう何度も言われると、お世辞な気がしてしまうけれど。
『さくら、本当に可愛い』
『あ、ありがとう……』
扉の側で、栗色ちゃんと藍色ちゃんが、ニコニコと微笑んでいる。
二人の前で言われると、益々恥ずかしい。
拓はそんなの気にしてないみたいだけれど。
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