また、一人になってしまった。


静寂が、増す。





頼稜さんは、拓が話を終えたって言ってたけれど、拓はなかなか帰って来ない。






少し肌寒くなって、ガラス戸を閉める。






『白純美?起きたのか?』




はっとして、振り向くとそこには、儚げに柔らかく笑う拓が居た。



衝動的に、傍まで駆けて行って抱き付く。






『どうしたんだ?何かあったか?』





嬉しそうにケラケラ笑う拓。



頭を撫でてくれるその手が、抱き止めてくれる貴方が、温かい。




とてつもなく、安心するの。




私の、居場所。