──────私と、同じ?





嫉妬を、してくれてるの?




ただの喧嘩相手、それだけなのに?







『た、ただの友達よ…。席が近いから─…』





あ、と思った時には、すでに拓の腕の中。




別に、離れようともする訳はないけれど、絶対に離れられないくらい、強い力。





どうしたら良いのか、分からずに、そのまま身を拓に委ねる。



どうしようもなく、切ない。





拓は、その口から何とも言わない。




どう思っているのか、わからない。



嫉妬しているかもしれない、なんて私の思い過ごしかもしれない。




──────私の願望なのかもしれない。





そう思うと、ますますどうしたら良いのかわからなくなる。






ただ、ガラス越しに見える桜が、ハラハラと柔らかく散る。




儚さを伴って、桜色に。