「ふぅ…」

わたしはお葬式帰り、深く息を吐きました。

…どーも注意はズレてしまっているみたいです。

わたしの目には、亡くなった人達の葬式のイメージが映るんです。

死期が近くなると、亡くなる人は黒いモヤに包まれ、お葬式のイメージがわたしの目に映ります。

でも何が原因で亡くなるのかは分からなくて…、毎回それとなく言葉をかけてはいるんですが…。

効果は無いようです。

ただ見えるだけの、無力なわたし…。

わたしはけれど、立ち止まり、振り返ります。

葬儀場から吹き上がる黒いモヤ。

…やがて、わたしにもあの存在が近付いてくるのでしょう。

黒いモヤの正体…。

白骨の体を黒い布に全身を包み、巨大な鎌を持つ、




―死神。