地球が壊れるとか


どうすれば生き残れるとか

そんなことはどうでもよかった。


それよりも僕には
「雨宮賢二としての自分」
が知りたかった



早朝の学校は静かで、階段を上がる足音が響く。


屋上で二度寝するかな



あれ、

扉のカギが開いている



こっそり作ったカギが無ければ開かないはず…


――ガラガラ


僕はこっそり扉を開けて、胸ポケット煙草を握りながら覗き込んだ


「誰もいないか…」



「やっぱりきたか、馬鹿は高いところが好きってのは本当らしいな」


上を見上げるとスーツの若い男がひとり


太陽とかぶって顔が見えない


でもどこかで聞いたことのある声