そうこう話しているうちに家に着いた。


「ありがとう、助かったです。」

「どーいたしまして。」

嬉しくて顔がにやけそうになるのを堪えて、お礼を言うと穂杉君もニッコリ笑う。

「…高原さんって笑うと可愛いんだな、映樹がピリピリしてンのがわかったわ。」


か…可愛いってっっ!

でも…ピリピリしてるって、何?


きっと、顔中に疑問符が表れていたんだと思う。


穂杉君は、クスッと笑って、「悪い虫がつかない様にってことだよ。」と言った。


ええええええ?


「じゃあ、帰るから。またね。」

動揺している私に気が付かないのか、穂杉君はさっさと道を戻っていってしまった。


ああ…いっちゃった…。


でも、可愛いなんて、好きな人に言われて嬉しいっ。

浮かれた気分で家に入った。