神様のきまぐれ

唇が触れたところが痺れて、
なんだかボーッとしてしまう。


私の様子を見ていた日向さんが
そろそろ送っていこうか？って
言ってくれて、
慌てて席をたった。

「コウジさん、
俺がヒナコ送っていこうか？」

志央が、何かを思い付いた様に
彼にいう。

「バーカ。
そんなベロべロで頼めるか。
同じ方向だから、いいんだよ。」

「ふーん。そうなんだ。」

「そうだよ。
おまえも、もう帰って寝な。」

子供は寝る時間だぞって
日向さんは、流した。

「はーい。」

普段に有り得ぬ、
妙に素直な志央の返事に、
みんなが彼に視線をおくる。

それも
作戦だったんだろう。

「じゃあさ、
ヒナコ、
一緒に寝ようか。」

志央の、続け様な
ダイレクトな誘いに、
皆が吹き出した。

でも、日向さんは
飄々とそのコトバを退けて。

「志央・・・。
それは俺の特権だ。
ヒナコは『俺のオンナ』
なんだから。」

そういって。

日向さんの一言で、
志央はすねた表情で
つまんない！って、
絶叫していた。


だから、

志央は

飲み過ぎ
なんだってば・・・。