神様のきまぐれ

人口も少ないこの島には、
当然大型ショッピングモールも
チェーン展開してる
スーパーマーケットやコンビニ
場所によれば街灯すらもない。

島唯一となる
食料品店へ足を運ぶ。

「おばさん。こんにちは。」

私が声をかけると、
体格のよい店主がでてきた。

当然、日向さんや、元田さんの
事など知るよしもない。

が、
全身ずぶ濡れの
男三人というのは
気になるようで

「あんたたち、どうしたの?
びしょ濡れで!」

呆れた声を、かけていた。

「海で魚捕まえてた。」

顔見知った弟が答える。

「あんたたち、裏にまわって、
潮と砂、おとしなさい。
洗濯も面倒なんだから。」

おばさんの迫力に飲まれた
三人は、苦笑混じりに庭の方へ
まわっていった。

間もなく、
三人の悲鳴が聞こえる。

おじさんに、
ホースで水をかけられているらしい。

「ヒナちゃん、今日は、
こっちの魚がとれたてよ。
塩で焼いたら、
酒にもあうから。」

そんな話をしつつ、
買いものをしていると、
男達がでてきた。

おばさんは、でてきたねって、
豪快に笑っていたが、
驚きの声をあげる。

「あんたまで、どーしたの?!」


見れば、おじさんまで
濡れていた。