「すごい。
ミュージシャンて、
沢山聴かなくちゃ
いけないんですね。」
おもわず声に出してしまったら
おかしそうに彼は笑った。
「面白い奴だな。
コメントの一つ一つが
見事に笑わせてくれるね。」
「よく、変わってるって
ゆわれます
全然そんなつもりは
ないんだけど。」
「ああ。わかる気がする。
きっと恋人は大変だろうな。」
彼は、そういった。
そうかなあ。
「・・・いつも気付いたら
一人になってるから
そうなのかも。」
最後につきあったのも、
いつだったかも
あんまり覚えてなくて・・・。
苦笑してしまう。
「あーっと・・君、
名前なんていうの?」
「宝ひなこ、です。
太陽の陽に子供の子って
書いて、ひなこ。
当て字なんです。」
「そうか。ヒナコか。
女の子らしい響きだね。
雰囲気にあってる。」
彼はそういってくれた。
なんだか、
胸の奥で
鼓動が
響いた。



