あたしの顔はすっかり熟れたりんごみたいになってしまった。 どうしよう、椎名くんから目を反らせない。 「海野、どうした?」 椎名くんは心配そうに私の顔を覗き込む。 あたしの顔は、熟れたりんごの状態を完全に通りこして、ゆでだごみたいになってしまった。 「なっ、なっ、なななんでもないよ。」 すかさず椎名くんから目を離して、雅のほうを見る。 雅は、少女のようないたずらな笑みを浮かべていた。