隣に机をそのたくましい腕で掴んで立っていたのは、椎名隼人(しいなはやと)だった。



今年初めて一緒のクラスになった時、驚くほど整った顔立ちと、その周りを引き込むような笑顔がとても印象に残っている。



「こちらこそよろしく。」


あたしは、小さく会釈をした。



顔を上げると、温かく優しげな椎名くんの眼差しがあった。



思わず目を逸らした。



「海野……?」