キーンコーン。 3限目のはじまりのチャイムが鳴る。 後ろにたまっていた女子も、廊下で遊んでいた男子も慌ただしく席につきはじめる。 3限目は現代文の吉本先生のはずだが、高橋が教室に入ってきた。 「先生、 吉本先生は〜?」 総務の山田くんが、手を挙げた。 「吉本先生が今日体調不良で休まれたので、突然だが、席替えをする!」 「「え〜??」」 「「よっしゃ〜!」」 カラフルな声が教室中にこだまする。 あたしは、ちらりと雅を見た。 雅はにこりと微笑んだ。