そんなことを、教室の隅でこっそりとノートに記す。


今は、休み時間の最中。



教室や廊下はおしゃべりの声で充満している。



「モ〜モ!
何書いてんの?」



この声を聞くと、心の中に浮いている冷たい氷がふわりと溶けるようだ。



雅。



あたしに失いかけた笑顔を取り戻してくれた。



雅?



あなたのおかげで、唇が切れて真っ赤になることもなくなったよ。



「また歌詞ノート書いてる〜!」



「えへへ。」



「モモの書く歌詞って、応援ソングばっかり。

恋とかしないの?」