「海野さんさ、 歌手だったりする?」 心臓が新鮮な魚のように飛び跳ねた。 「どっ、どうして?」 「実は昨日海野さんのライブに行ったん.. 「誰にも言わないで! お願いします!」 「あははっ、 言うつもりはないよ。 むしろ誰にも言いたくない。」 ………え? 「海野さんはあたしの恩人だよ。 地の底まで落ちたあたしを救ってくれた。 だから今度はあたしが海野さんを守ってあげる。 ずーっと、一緒にいてあげる。」