「……大丈夫? 泣いてたみたい…怖い夢でも見たか?」 涙…? 頬を触ると濡れていた。 「あはっ……ホントだ… 夢で泣くなんて、私は子供だね?」 ケンちゃんは何も言わずに私をそっと抱きしめた… 「け!!ケンちゃん……?」 「無理して……笑わなくても良い…… 俺の前では、泣きたいときは泣いて?」 私はケンちゃんの胸に抱きしめられて涙を流した。 ケンちゃんの前では、偽りの笑顔じゃなくても良いんだと思ったら、なぜか心が軽くなった気がした。