「もしもし」 数回のコールを経て、聞こえた声は懐かしく感じられた。 「おい、どうしたんだよ。」 普段俺からは連絡しない。 メールでも良かったのだろうけど、どうしても声が聞きたかった。 なんかもう、言えないかも知れない… 「あのさ…」 冷たい風が頬を刺す。 ケータイを強く握る。 トクントクンと次第に大きく波打つ心臓。 言わなくちゃ… 「別れよう?」