「誰かな?」 本当の俺を知られちゃまずい… 「今日はもう終わりだよ? 僕も帰ろうと思ってたとこだから。 じゃあね」 笑顔を作り、屋上を出ようとした。 俺の全神経が危険を知らせていた。 早く出なければ ただその思いだけだった。 ドアノブに手を掛けようとした瞬間、甘く、でもどこか冷たい声に手は止まる。 「センパイ、嘘何か付けませんよ? 本当のセンパイをあたしは知ってますから。」 そう言って俺を見る瞳は、まるで人形のようだ。 生きてる感じが全くない。 そう、ビー玉のようだった。