ギィー、と重たい音を響かせ、屋上のドアが開く。 夜月が戻って来たのだと思った。 「何がもういいだっつーの。 っつかお前どこ行って…」 顔を見た瞬間、言葉を失った。 フワフワとした長い髪を風に揺らめかせ、白く雪のような肌は日光の光を反射させ、如何にも輝いているように見えた。 そして彼女は笑って言った。 「お久しぶりです。 センパイ」 ニコッと笑う彼女の顔は、確かに可愛いかも知れない。 でもあの笑顔は本物じゃない。 何度の何度も罪を重ねたような、綺麗な笑顔ではなかった。