もういいっ!なんて言って屋上から姿を消した夜月。


「なんなんだ…?」

幾ら考えても答えなんて出やしない。



ゆっくりとチャイムが鳴る。

今日はもう学校も終わりだ。



「家でゆっくりすっかなー」

グーンと伸びをしながら午後からの夜月との時間を想像していた。


最近夜月をイジメるのがマイブームだったりする。



赤く染まった頬や、何時もの夜月からは考えられないような声。

全てが俺の物であり、俺もまた夜月のモノなのだと思いながら空を見上げた。



風が白く輝く雲をすくいあげ、遠くにゆっくりと運ぶ。

暖かくなった空気は俺の眠気を誘った。


そして一つのあくびを落とさせた。



その瞬間だ。