｢あいつって誰なんだよ？！｣



さっきまでの雰囲気とはうって変わって、不穏な空気が流れた。



｢この森に棲む妖精は、もう私だけなの…。みんな<あいつ>に殺されてしまったから。｣



アリアの瞳は、涙でよりいっそう輝きを増し、不謹慎にも思わず見とれる程であった。



妖精たちを滅ぼした者、リリーを誘拐した者、イデアとコムスの戦争を引き起こした者、同一人物だとしたら、何のために…。



共通点がまるでない。



アリアは、しばらく黙っていたが、昔のことを語り始めた。