「大丈夫か?」



目の前が少し歪んで見える。



少しずつ焦点を合わせる。



「…兄貴っ!」



兄貴がどうしてここに…?



いつの間に帰ってきていたのか。



「いったい今まで、どこ行ってたんだよ!みんな心配してたんだぞ!」



俺は兄貴とはあまり仲がいいとは言えなかったが、少なくとも戻ってきてくれたことに喜びを感じていた。



「誰も悲しまないさ。誰も…お前なんて消えてしまえばいい!」



そういって、兄貴はナイフを俺目掛けて突き刺そうとした。



「うわあああああっ!」