君の心

フレアはそう言うと、村の真ん中にある建物に向かっていった。



俺たちも置いていかれないように、小走りしていくと、そこには起きているのか眠っているのか分からないほど、身動き一つしない老婆が座っていた。



「ルカ様、ただいま。人間なんか連れてきてごめんなさい。でも…」



フレアが言いかけた瞬間に、ルカ様と呼ばれる老婆が目をカッと見開き、言葉を遮った。



「フレア、この世界の異変には気づいておるな?運命には逆らえないんじゃ。お前は、見つけてしまった。」



唐突すぎて、話の意図が掴めない。



異変?
運命?



俺たちはまだ知らなかったんだ。



悲痛を伴う運命が待ち受けていることを。