君の心

「ここがイデアよ。魔女たち以外にここに入ろうとする、馬鹿な人間あなたたちくらいね。歓迎されないと思うから、気をつけて…」



そう言ったフレア自身もどこか警戒している様子だった。



自分の故郷であるのに、それは不自然だ。



その時いきなり突風が吹き、頬をかすめた。



右頬からは切ったように、血が滲み出ている。



「な、なんなんだ?」



俺は訳もわからず、立ち尽くしていると、フレアが魔法で近くの岩を爆発させた。



「出てきなさい、私はフレアよ。安心しなさい。」



岩があった場所を見ると、砂煙でむせて咳き込んでいる少女がいた。



「フレア…?なんで人間がここに!?」



その少女は怯えたように、俺たちを睨みつけた。


「訳ありよ。ここを通してちょうだい。何か…嫌な予感がするの。」