君の心

リンは顔を下に向けたまま、走ってどこかへ行ってしまった。



「リン…泣いてた…?」



レットは悲しそうに、呟いた。



「とりあえず、この場から逃げようぜ!」



三人は街のはずれの、小さな宿に行って、 そこで一泊できるよう頼んだ。



ここまでは、さっきの噂は流れていないようだった。



「フレア…大丈夫か?何があった?」



傷の治療をしながらレットは問いかけた。



「知らないわよ。あんたたち探してたら、火事、私のせいにされて…まあ、仕方ない…か。」



虚ろな目で独り言のようにフレアは答えた。



「仕方ないわけねぇだろ!?お前、こんな目に合わされて、悔しくねぇのか?魔女だ人だって、そんなの関係ねぇだろ!」


ライは怒りを堪えきらず、怒鳴った。



フレアはいきなり、鼻でフッと笑ったが、その表情は諦めにも似てとれるものであった。