フレアは先程の焦燥の表情はなく、冷酷な眼差しでこちらを見ている。



「いいぞ、フレア!ジワジワと苦しめるんだ!さーて、赤髪の兄ちゃんはどうやって苦しめようか?」



今悪の原因はこの下品な男か…



さっきの会話…あの女、弱みを握られているのか。



「おいっ!魔女!お前なら俺たちが助けてやるから、そんな男の言うことなんて聞くな!」



レットは何を思ったか、咄嗟にそう言った。



フレアは驚いたのか、魔法を止めたため、氷がバラバラと砕けた。



と同時に、重力を感じ、床に落ちた。



「魔女!何ボーっとしてんだ!逃げるぞ!」



レットは思考が完全に停止しているフレアの手をひいて、全速力で出口へ向かった。