「こんちは〜誰かいますか?」



俺たちは薄暗くて、お世辞にも綺麗とは言えない、小さな家に入った。



「ライ〜ほんとに人住んでんのかよ?幽霊屋敷だったりして。」



カタッ



奥の方で小さな物音がした。



あっちか…



「誰じゃ?」



『ひいっ!』



俺たちは声になったかならないか分からないような声をあげた。



「な、なんだよ。婆ちゃんがジーマっていうのか?」



なんだか様子がおかしい。



微笑むわけでもなく、怒っている様子もなく、無表情というよりかは、ボーっとこっちを見て突っ立っている。



「わしがジーマじゃ。」



これがさっきの女が言ってた、心がないってやつか。



「突然なんですが、人をこの街以外で、瞬間移動させちゃう魔法って、あるんですか?」



相変わらず顔色を変えずに、知らんとだけ言い放った。



「またハズレか〜婆ちゃんすまなかったな!またな!」