「ここが、ダンテか…」



俺たちは、フル村を出て一週間で、ようやくダンテに到着した。



ここダンテは魔法で有名と聞く。



もっとも田舎ものの俺たちには、魔法なんてもの想像もつかないが…



「待てー!!!」



怒声をあげた男が、鬼の形相で走ってくる。



ドンッ



「キャッ!ごっごめんなさい、急いでるので!」


なんなんだ?



「待て!その女をひっとらえろ!」



やれやれ、ずいぶん物騒な街なんだな。



俺はわざと男の前に立ち、情報聞くついで話しかけた。



「おっおい!俺は急いでるんだ!って…見失ったじゃねえか!ちっ、魔女め!」



男は諦めたのか、俺たちに睨みながら、なんだよ?と言った。



「あの〜魔女ってどうゆうことですかね?あと、人を消せる魔法なんてあるんですか?」



レットはなだめながらも、本題に入った。



「あの魔女はだな〜悪さばっかりしやがって、今日なんて俺の大事な商品を盗んでいったんだ。それから、いくら魔法都市だからって、人を消せる魔法なんて高度なもん、使えるやつ聞いたことねえなぁ。」



高度な魔法ねぇ…



全く分からない。
リリーを誘拐したやつが、そんなに凄い力を持ったやつだとしたら…何のために?



「すいません、ありがとうございました。他をあたります。」



とにかく今は情報を集めないと…



「兄ちゃんたち、魔法に興味があんのかい?だったらこの街の魔法学校に行くといい。エキスパートのお方たちがいらっしゃるからな。」



魔法学校か…
俺も使えるようになったりして。



「ライ〜今、俺も魔法が使えるようになったりして〜とか考えてたでしょ。全く…」



呆れたようにレットが溜め息をもらす。



「とっ、とにかく行ってみようぜ!じゃ、おっちゃんありがとな!」