家までの帰り道、不思議とお互い何も話すことはなかった。



「家に着いたら、たくさん話そう」


私はそう思っていたし、きっと柊もそう思っていた。





「…懐かしいでしょ?…四人で暮らした家…」


私は玄関の鍵を開けて、柊を招きいれた。



「父さん…は、海外だよね?」

柊は家に入るなり、キョロキョロして辺りを見渡す。

「そうだよー」

「じゃあ…つーちゃん一人だよね…?」

柊が意味深な言い方で、私に問いかけた。


「え?メール送ったよね?5年前から一緒に…」



「おかえり!椿!」